和菓子に関連する代表的な道具のご紹介
2018年10月27日
四季折々のテーマで私たちを楽しませてくれる和菓子。
お茶の席や、日常のちょっとしたティータイムには欠かせない、日本を代表する食文化のひとつです。
そんなシンプルかつ繊細な和菓子を作るため、また食べるために、たくさんの道具が使われていることはご存知でしょうか。
単純なように見えて、よく見るととても繊細な和菓子のための道具についてご紹介します。
和菓子を食べる道具
菓子楊枝
和菓子を口にする場合、手で割っていただく薯蕷饅頭などを除けば、原則として菓子楊枝を使います。
せっかくの和菓子なのに、フォークなどを出してしまうとなんだかアンバランスに。
切る・刺すをひとつでまかなえる菓子楊枝を使うことが一般的です。
菓子楊枝ひとつとっても、こだわりが見え隠れするところなので手は抜けません。
黒文字
菓子楊枝の中でも「黒文字」という木を素材に使ったものです。
大きさは小さなものから、お箸に近いサイズまでさまざま。
こちらも切る・刺すを一本で行い、和菓子だけを味わうのではなく、黒文字から香るほのかな木の香りも楽しみます。
和菓子を作る道具
木杓子
木杓子は餡を練ったり、生地を混ぜ合わせたり、裏ごしなどにも使われます。
素材はどんなものでも問題ありませんが、和菓子用のものを購入するとよいでしょう。
竹べら
包餡したり、菓子に文様など細工をする時に用いられます。
家庭での和菓子づくりでは、ほかの物でも代用が可能ですが、専用の竹べらがあれば便利でしょう。
三角べら
三角の形をした特殊なへらで、主に練りきりやこなしなどに、特殊な文様を付ける場合に用いられます。
本格的な練りきりなどを作る場合には、必須の道具となるでしょう。
千筋板
筋模様を付けられる板です。
お菓子の生地を押し付けることで、筋模様を付けるために使われます。
特殊なデザインの和菓子づくりには必要でしょう。
文様一つで見た目の印象は大きく変わります。
金ベラ
平鍋などで作る焼き菓子を返す、または剥がす時に使われるへらです。
熱に弱いヘラを使ってダメージを与えないためにも、焼き菓子づくりには必須です。
どらさじ
どらさじとは、どら焼きなどの焼き菓子を広げる場合に使われるものです。
生地をすくい、落とし、均等に広げるために使われます。
素材は一般的には金属のものが多いです。
平鍋
平鍋とは焼き菓子に使われる、ガスで銅板を熱する道具です。
どら焼きをはじめ、さまざまな焼き菓子づくりに使われる、とても重要な道具。
家庭で焼き菓子を作る場合には、フライパンなどでも代用できますが、店舗での和菓子づくりには、ほかの食べ物の香りを付けないことや、熱を均等に行き渡らせるためにも必須だといえるでしょう。
抜き型
菓子を切り抜き、型を作るために使われる道具です。
イチョウ・もみじ・梅・桜など、さまざまな形をしたものがあります。
素材はステンレスや真鍮製のものが多いですが、低価格なものには樹脂製のものも。
練り菓子には欠かせない道具のひとつです。
木型
木型は流し菓子以外の、多種多様な菓子に使われる道具です。
梅や松、鯛をはじめ、四季折々のデザインを施した型をしており、和菓子づくりには必須の道具だといえるでしょう。
素材は名前のとおり木ですが、硬い桜の木などを使ったものがもっともよいとされ、基本的には職人による手彫りで作られています。
焼き印
焼き印は菓子の表面に、熱で模様を入れるために使われる道具。
主に焼き菓子などで使われることが多いです。
陶器流し型
ひとつひとつ独立しており、錦玉羹や水羊羹などを固める時に使用。
四季の風物詩を中心に、様々な模様があしらわれた型が使われています。
樋型
羊羹などを長方形に流し固めるために使われます。
シンプルな四角の形だけではなく半月型も。
一般的によく見る羊羹は、こちらの型で作られることが多いですね。