こんなに違いがあるんだ!生クリームの種類についてやさしく解説
2019年2月9日
ケーキなどのお菓子をはじめとして、たくさんの料理で当たり前のように使われている生クリーム。
どこのスーパーでも売られている、おいしい料理づくりには欠かせない食材ですが、じつはいろいろな種類があることはご存知でしょうか。
つくるお菓子や料理の仕上がり、いっしょに合わせる食材などによっても使い分けることで、より風味や食感を引き立たせることができるのです。
この記事では、そんな生クリームの種類について、わかりやすく解説します。
生クリームとは
生クリームとは「生乳」や「牛乳」を分離させて「乳脂肪」だけを取り出した乳製品のこと。
つまり原則として、生乳を原料としたものですが、植物性の脂肪を使った生クリームによく似た製品もあるのです。
大きくわけると、生クリームと呼ばれる食材には、つぎの3つの種類があります。
- ①動物性の生クリーム
- ②植物性の生クリーム(ホイップクリーム)
- ③動物性・植物性混合の生クリーム(コンパウンドクリーム)
一見すると生乳を使った動物性の生クリームだけあればよさそうですよね。
ですが用途や合わせる材料、仕上がりの状態によっては、植物性のクリームを使う方がよいこともあるのです。
そのため動物性の生クリームだけがいいとは、一概にはいえないということですね。
タイプ①動物性の生クリーム
生クリームと呼ばれる乳製品は「乳脂肪分が18%以上」と定義されています。
パッケージの表記には「クリーム」と表記されているものです。
生乳のみから作られていることから、まろやかで豊かな風味が特徴で、濃厚な仕上がりに。
お菓子に塗ったり、絞り出したりできるクリームなら乳脂肪分が35〜50%ほどのものを使います。
お菓子の材料として利用し、濃厚な仕上がりにしたいのなら乳脂肪分が40%程度、ふんわりとした食感に仕上げたいのなら、それよりも低い乳脂肪分のものを選ぶとよいでしょう。
たくさんの人が好む豊かな風味である一方で、その濃厚な味わいから、乳製品が苦手な人には敬遠されることも。
また生乳が主原料であっても、乳化剤や安定剤を加えたものは生クリームではなく「乳又は乳製品を主原料とする食品」です。
ですが主原料が生乳であることや、乳脂肪分の量が変わらないことから、生クリームとほとんど味は変わらない、とされています。
タイプ②動物性・植物性混合の生クリーム(コンパウンドクリーム)
生クリームと呼ばれてはいるものの、厳密にいうと「乳又は乳製品を主原料とする食品」に分類されるものもあります。
そのひとつがコンパウンドクリームと呼ばれる、乳脂肪の一部を植物性の脂肪で置き換えたもの。
ヤシやパーム、大豆の油などが使われることが多く、生クリームよりも安価です。
風味は生乳100%の生クリームにくらべると、どうしても劣りますが、軽めの風味であることから生クリームよりもこちらを好む人もいます。
タイプ③植物性の生クリーム(ホイップクリーム)
生クリームによく似たものに「ホイップクリーム」があります。
一般的には、パッケージの表記に「フレッシュ」や「ホイップ」と書かれているもの。
ホイップクリームは、植物性の生クリームともいえるもので、乳脂肪分をすべて植物性の脂肪分に置き換えたものです。
風味は生乳100%の生クリームとくらべると、劣ってはしまいますが、さっぱりした口当たりや安定性から、植物性のクリームが合う料理もたくさんあります。
また生クリームよりも安価であることや、消費期限が長く日持ちすることもメリットです。
動物性と植物性の生クリームの使い分け
通常であれば、乳脂肪分からつくられている生クリームだけで、ほとんどの料理やお菓子に対応できます。
また濃厚でしっかりとした味を求めるのであれば、生クリームが適しているといえるでしょう。
ですが乳製品特有の黄ばみを避けてより白さを求める場合や、生クリームの香りが苦手な人が食べる場合、さっぱりとした軽い味と食感を求める場合は、コンパウンドクリームやホイップクリームが向いています。
同じお菓子をつくる場合でも、動物性のクリームと植物性のクリームを使うことで、印象も変わるため、使いくらべてみるのもよさそうですね。