社会人経験者は製パンの専門学校で勉強できるのか
2019年4月25日
もともと製パン業界に興味があったけど、断念して社会人になった人。社会人として働いてみた結果、製パン業界に興味を持った人。社会人経験者の中にも、製パン業界で働く夢をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
しかし、一度でも社会に出てしまうと、大半の人が再進学することをためらってしまうといいます。金銭の問題もあれば、周りの人の目や反対がこわいというケースもあるでしょう。
とはいえ、どんな理由であっても、製パン業界で働きたいという強い熱意があるのに、あきらめてしまうのはもったいないと思います。実際に私の周りにも、社会人から製パンの専門学校へ再進学している人がいるので、なおさらそう感じるのです。
社会人経験者でも製パンの専門学校に通えるの?
社会人経験者でも、もちろん製パンの専門学校に通うことはできます。どんな人だって平等に学ぶための道は開かれていますし、再進学は決してはずかしいことなどではありません。
たとえば海外では、社会人を経験し、もう一度学校へ通うことは貪欲な証として評価されます。これからは日本国内でも、キャリアアップのために再進学する人はきっと増えてくることでしょう。
そしてあなたも製パンの専門学校に通い、技術を学ぶことはかならずできます。では社会人の方は、どんな学校を選べばよいのでしょうか。
社会人が学ぶ①全日制の専門学校に通う
もしあなたが仕事を完全に中断でき、集中して学べる環境も整っているのなら、全日制の学校に通うのが適しています。日中に集中して製パン技術を学べるので、専門学校ならではのアカデミックな知識をたくさん習得できるはずです。
でも、すべての人が全日制の学校に通えるわけでありませんよね。
社会人が学ぶ②夜間学校へ通う
多くの社会人の方が、働きながら学びたいという考えを持っているといいます。金銭的な理由などにより、どうしても仕事をしなければならず、そこから学費を捻出したいという人です。
このような事情がある方なら、夜間学校で勉強するとよいかもしれません。
私が通う、京都製菓製パン技術専門学校にも夜間部があり、社会人からパン職人を目指す人がたくさんいます。一度社会人を経験している分、他の学生よりもずっと真剣だと感じました。
もちろん夜間部でも、パン職人になるための知識や技術をじゅうぶんに学べ、そして資格の取得もできます。
社会人経験者が製パンの専門学校へ通うメリット
社会人経験者が製パンの専門学校で学ぶメリットは2つあります。
- ◆社会人経験者だから真剣になれる
- ◆就職の時に有利になる
厳しい社会人の世界を経験しているのと、経験していないのでは、学ぶ姿勢が自然と変わるはずです。
実力がなければ評価されない、社会人の世界を知っているからこそ真剣になれるというわけですね。
また高校からの進学者とくらべると、あまり時間の猶予がないことも自覚していると思います。
そのことも真剣になれる理由でしょう。
ほかにも一度社会で活躍した経験があること自体が立派な強み。
即戦力としてすぐに通用するため、就職時にもかならず武器になるはずですよ。
なぜなら企業はいつも人材不足に悩んでいて、やはり欲しいのは、社会人としての基礎を理解している即戦力だからです。
「ほかの人にくらべて不利じゃないかな…」と心配して、入学を決められない人もいるかもしれません。
ですが不安になることはありませんよ。
社会人経験者が製パン学校へ再進学するケースは多い
そもそも製パンの専門学校に、社会人経験者がいるのかどうか、心配な人もいるのではないでしょうか。
ですがそこも安心してください。
製パンの専門学校には、社会人経験者の方が再進学するケースはたくさんあります。
- ◆昔から製パンの仕事に興味があったが諸事情で諦めた人
- ◆別の仕事をしていたが製パンの業界に興味を持った人
- ◆実家のパン屋を継ぐために製パンを学ばなければならなくなった人
いろんな理由がありますが、昔とは違って社会人経験者が、学校へ再進学するのは一般的になりつつあります。
また海外では、再進学した人の方が評価されるケースも多く、実力社会への転換が進んでいる日本国内でも、少しずつその流れがあるといえるでしょう。
やる気と熱意があれば、いつ進学したって遅くはないのです。
好きなことだから学べて続けられる
再進学で評価が高まることは大切ですが、それ以上に、せっかく勉強するのなら好きなことがいいですよね。
好きでもないことを学んだり、興味のない仕事を続けるのはとても苦痛です。
たとえある程度はお給料がいい仕事でも、興味がないことを続けるのは、本当につらいもの。
ましてやこの先ずっと同じ仕事を続けていくと考えると、やっぱり興味を持てる分野を学び、その職業に就くのが理想です。
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、これは本当のことだと思います。
社会人でも大丈夫 奨学金などを利用して製パンの専門学校へ通う
昼間に集中して学ぶ人、夜間部で働きながら学ぶ人、どちらの方も学費について、なんとか軽減したいとお考えではないでしょうか。
専門学校では、卒業するまでにかなりの金額が必要ですから、少しでも学費の負担を減らしたいものですよね。そこで活用したいのが奨学金などの制度です。
教育訓練給付金制度
教育訓練給付金制度とは、社会人の方の再就職を促進するために、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給されるという制度です。
これは厚生労働省が行っている制度で、社会人経験者の方なら、多くの方が支給の対象となります。数十万円から、場合によっては百万円以上が支給されることもあるので、ぜひ活用したい制度ですね。
専門学校独自の奨学金
各々の専門学校でも、独自に奨学金を準備しているケースがあります。
たとえば私の通う京都製菓製パン技術専門学校では、再進学サポート奨学金や、社会人経験者奨学金、夜間部進学サポート奨学金などがあります。人数に限りはありますが、完全に返済が不要な奨学金なので、活用しない手はないと思います。こちらの奨学金も、かならずチェックしておきたいところですね。
製パンの専門学校で取得できる資格
製パン分野の専門学校で目指せるのは、こんな資格です。
- ◆パン製造技能士(国家資格)
- ◆製菓衛生師(国家資格)
- ◆サービス接遇検定アドバイザー
- ◆食生活アドバイザー
もちろん資格の取得には勉強が必要ではありますが、学校でしっかりと勉強しておけばじゅうぶん取得可能。就職の際にも資格は大きな説得力となるので、できるだけ多くの取得したいですよね。
いかがでしょうか。
社会人を経験してからでも、製パンについて深く学ぶことはできます。自分の「やりたいこと」をあきらめず、もう一度学生からチャレンジしてみませんか?