バターとマーガリンの違いはどこなの?似ているけどまったく違う2つの油脂
2019年3月29日
毎日の朝食がトースト派の人には、とても馴染みの深いバターとマーガリン。
もちろんトースト派ではない人でも、お菓子や料理にもよく使われているので、口にする機会が多いのではないでしょうか。
どちらも淡い黄色をした固体で、パンに塗って食べると豊かな風味がして…、あれ?ちょっと待ってください。
どっちも同じような使われ方ですし、使われる料理も似ています。
ではバターとマーガリンって、いったい何が違うのでしょうか。
この記事では、そんなバターとマーガリンの違いについて、かんたんにご紹介します。
バターとマーガリンの違いは素材と加工
バターとマーガリンの違いは、ひとことで表すなら「素材と加工による違い」です。
バターは生乳から脂肪を分離して作られた、動物性由来の油脂。
マーガリンは植物性の脂肪を、水素を添加することで固形にした植物性由来の油脂。
このように素材と作られる工程がまったく違うのです。
もちろんどちらが優れている、ということではなく、一長一短があります。
バターとは
バターは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令により「乳脂肪分が80.0%以上含まれるもの」と定義されています。
素材が生乳から分離された乳脂肪分であることから、特有のコクと旨味を持つことが特徴です。
動物性の脂質であることから、常温では固形で安定し、融点が高く溶けにくい性質を持っています。
そのため冷蔵庫で冷やしていたバターを、いざパンに塗ろうと思っても、なかなか切れないし、溶けにくいと感じている人も多いでしょう。
これはバターが動物性の脂質である以上、付きものだといえます。
バターを食べ過ぎると健康に悪い?
「動物性の油」と聞くと、それだけで体に悪いというイメージがつきまといます。
ですがそんなことはなく、ふつうに食べている量なら、コレステロール値が上がることもなく、まったく問題ありません。
おいしいのは分かっているけど、動物性の油が嫌で避けている、という人が多いと聞きますが、気にせずに毎日口にしても大丈夫ですよ。
マーガリンとは
マーガリンは「油脂が80%以上含まれるもの」と定義されています。
油脂にはとくに指定はなく、どんなものでもOK。
マーガリンの素材として使われる油脂には「ナタネ油」「コーン油」「大豆油」「パーム油」などが多いです。
本来であれば、不飽和脂肪酸である植物性油脂は、融点が低いために常温では液体。
ですがそこに水素をくわえて安定させることで固形にします。
少し前にバター不足で話題になったマーガリンですが、じつはもともとの発祥もバター不足による代替品として生まれたそうですよ。
いつの時代も同じなんですね。
マーガリンのトランス脂肪酸は本当に危険なの?
ところでマーガリンといえば、トランス脂肪酸の危険性が指摘されることが多いです。
「食べるプラスチック」とか「何年経っても腐らない」「欧米では販売禁止になった」という話が取り沙汰されますが、これはさすがに言い過ぎだといえます。
日本マーガリン協会が公表しているように、常軌を逸して食べ過ぎた場合に当てはまること。
日本人はマーガリンなど、トランス脂肪酸の絶対摂取量はとても少なく、気にするほどではありません。
それにリノール酸を摂取することで、いくらかトランス脂肪酸の悪影響を低減できる、ともされていますが、日本人は日ごろからごく当たり前にリノール酸を摂取しています。
その量はトランス脂肪酸のなんと7倍にもなるのだとか。
ですからふつうに毎日の朝食に食べるくらいでは、まったく気にする必要はありません。
欧米で危険性が指摘されているのは、日常的に大量のマーガリンやショートニングを口にしているからです。
バターもマーガリンも食べ過ぎれば体に悪い
バターとマーガリンは、ふつうに食べている分には何の害もないことは分かりました。
ですがもちろんなんでも食べ過ぎれば体に悪いように、バターとマーガリンも同じです。
そもそも油脂ですから、食べ過ぎれば脂質異常症や肥満の原因になるのは明らか。
どんな食べ物でもほどほどにして、食べ過ぎないようにしたいものですよね。