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ケーキに使われるスポンジの種類を紹介

「スポンジ」といっても、どの家にもあるあのスポンジではありません。ケーキの中に使われている、生地のことです。

では、このケーキに使われるスポンジ生地、どんな種類があるかはご存知でしょうか。大きくわけて2つなのですが、使用する材料などで細かく分類すると 、さらにたくさんの種類があります。

スポンジケーキの基本はやっぱりスポンジ生地で、種類を知っておくことは大切。今回はスポンジケーキに使われる、スポンジの種類についてご紹介します。

ケーキのスポンジ生地はとても重要

ケーキに使われるスポンジ生地はとても重要です。パティスリーと呼ばれる洋菓子の分野でも、もっとも基本的な生地のひとつで、種類については必ず知っておきたい知識のひとつ。洋菓子の基本は生地づくりですから、かならずマスターしておきたいですよね。

材料を混ぜて泡立てるだけなのでかんたんであるように感じますが、実際にはとてもむずかしくて、奥が深いのです。

ケーキのスポンジのつくり方と種類

スポンジ作りに使われる基本の素材は、卵・砂糖・小麦粉の3つです。

そしてこの中でも卵は、あらゆるお菓子の材料の中で、最も空気を含む性質があり、この性質を上手く利用したものが、スポンジ生地。あのふんわりした感触の秘密は、卵だったというわけです。

素材を混ぜ合わせた時に、卵が持つ「起泡性」という性質によって、生地にはたくさんの空気が、気泡となって含まれています。このたくさんの気泡が、加熱によって膨張し、生地を形作ります。そして卵のタンパク質が、熱によって固まることで生地ができあがる、というわけですね。

またケーキのスポンジは、卵白と卵黄を別で混ぜるか、一緒に混ぜるかによってつぎの2つにわけられます。

  • 別立法(ビスキュイ生地)
  • 共立法(ジェノワーズ生地)

違いは混ぜ方だけですが、この2つの製法の違いにより、作られるお菓子がまったく変わるほど、卵は重要な要素なのです。

スポンジの種類①別立法(ビスキュイ生地)

一つ目は、卵白と卵黄を別に泡立てる、別立法です。

この別立法で作られた生地は、ビスキュイ生地と呼ばれ、泡立ちやすい卵白の性質から、全卵を一緒に混ぜた時よりもはるかに多くの空気を含みます。

できあがった生地は、たくさんの空気を含み、ふんわりとした食感に仕上がります。ビスキュイ生地は主に、ショートケーキ・クリスマスケーキ・ウエディングケーキなどに使用されることが多いです。

パータ・ビスキュイ・ジョコンド

ビスキュイ生地に使われる小麦粉の一部を、アーモンドの粉末に置き換えたもの。かなりの量がアーモンドに置き換わるため、とても風味のよい生地に仕上がります。

スポンジの種類②共立法(ジェノワーズ生地)

二つ目が、全卵を一緒に混ぜ合わせて泡立てる共立法です。

共立法で作られる生地は、ジェノワーズ生地と呼ばれます。この製法で作られる生地は、含まれる空気は少なく細やかで、焼き上がりはしっとりとした食感に仕上がります。

ビスキュイ生地とは違い、メレンゲを使用しない分、バターを使った風味付けも容易です。きめ細かくしっとりとした食感は、日本人の好みにも合いやすく、多くのケーキに使われる生地でもあります。

パータ・ジェノワーズ・ショコラ

ジェノワーズ生地にココアパウダーを加えたもの。しっとりとした食感に加えて、チョコレートとバターの風味がおいしい、オシャレなスポンジ生地です。

パータ・ジェノワーズ・オ・カフェ

ジェノワーズ生地にコーヒーを加えたもの。スポンジ生地全体が、ほんのりとしたコーヒーの風味で、ケーキに個性とアクセントを与えてくれます。大人向けのケーキに使うと、ほろ苦さと上品な甘さを演出できるかもしれません。

パータ・パン・ド・ジェンヌ

小麦粉をすべてアーモンドとコーンスターチに置き換えたもの。アーモンドをたっぷりと使用することから、非常にリッチな生地だとされています。

ケーキに使われるスポンジの種類まとめ

ケーキに使われるスポンジについて、一部をご紹介しました。

ですがこれでもまだまだほんの一部。

それに一つひとつの生地づくりはとても奥が深く、単純に泡立てて焼けばいいという、単純なものではありません。私たちも最初は、「ふんわりした生地にならない」とか「上品な均一の味が出せない」など、上手くいかないことが多かったように思います。

だからプロのパティシエという仕事があり、それぞれの生地について深い知識と技術を持っているのです。

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