基本のラテアートの作り方について
2018年11月20日
ちょっとしたコーヒータイムに飲むと、ほっとできるマキアートやカフェラテ。
とくに冬の寒い日に、カフェで楽しむマキアートやカフェラテは格別ですよね。
もちろんマキアートなどは、そのまま飲むだけでもおいしいものですが、カフェならではの楽しみのひとつに「ラテアート」があります。
バリスタが作るラテアートはとてもかわいいものが多く、味だけではなく見た目でも楽しめ、時には飲むのがもったいなく感じるほど美しい紋様が描かれることも。
そんな見た目にも楽しいラテアートですが、一体どのようにして作られるものなのでしょうか。
この記事では、ラテアートの作り方やそのバリエーションについてもご紹介します。
そもそもラテアートとは
ラテアートとは、マキアートやカフェラテの表面に、ミルクやフォームミルクで美しい紋様を描いたもの。
木や葉などの美しい紋様だけではなく、バリスタの腕とセンス次第ではいろいろな紋様が描かれ、さながら芸術作品のようなデザインも存在します。
エスプレッソにミルクだけで作られているとは、とても信じられないほど複雑な紋様を描くことができ、バリスタの腕の見せどころでもあるのです。
そしてラテアートはいろいろな技法がありますが、おおまかに分けるとつぎの2つ。
- フリーボア
- リッチング
どちらもラテアートではありますが、リッチングはラテアートに分類されず、別のものとして扱われることもあります。
フリーボア
フリーボアとは一般的に想像されるラテアートのことで、エスプレッソをベースに、スチームミルクをピッチャーで注いでアートを作る手法。
通常ラテアートとされるのは、こちらのフリーボアです。
リッチング
リッチングとはエスプレッソに、スチームミルクだけではなくフォームミルクの泡を使い、機器もスプーンやピック、温度計などを駆使して作るアートのこと。
ラテアートの一部として扱われることもありますが、正確には本来のラテアートからは外れることから分類されないことも多いです。
リッチングで作られたアートのことを「デザインカプチーノ」と呼ぶこともあります。
ラテアートを作る時に必要な道具とは
ラテアートの基準がわかったところで、ここからは実際にラテアートを作るための道具について、ひとつずつ解説します。
基本的にはマキアートやカフェラテを作る道具と同じでOKです。
- コーヒー豆(深煎り)
- 牛乳
- エスプレッソマシン
- グラインダー・コーヒーミル
- ミルクピッチャー
- マグカップ・コーヒーカップ
逆にいうとラテアートは、これらのマキアートとカフェラテを作る道具がなければ作れない、ということでもあります。
コーヒー豆
エスプレッソのために使うコーヒー豆は、中煎りから深煎りのものを選びます。
ドリップコーヒーの場合は浅煎りから中煎りのもの。
豆の種類自体はどちらも同じもので、焙煎の度合いによってエスプレッソとドリップで分けられるということですね。
自分の好みで選んでもよいのですが、ここはコーヒーショップでお店の人のアドバイスも聞きながら試してみるとよいでしょう。
どちらにしても、コーヒー豆はコーヒーの素材ですから、味に直接影響するもっとも大切な要素のひとつ。
おいしいコーヒーでラテアートを楽しむためにも、予算の許す範囲で、できるだけよいコーヒー豆を調達したいものですね。
エスプレッソ・ラテアートに向いたコーヒー豆は?
じつはエスプレッソやラテアートに向いたコーヒー豆というものはありません。
どの産地のコーヒー豆でも、しっかりと深煎りでローストしたものであれば、エスプレッソとしておいしく楽しめます。
- コナ … 独特の甘みと芳醇な香りが特徴
- グアマテラ … 甘み・苦味・酸味のバランスが取れた風味が特徴
- コロンビア … 甘みが特徴的な種
- ジャマイカ … 甘みとコクのある風味
- ブラジル … 強い苦味と香りが特徴
- モカ … 繊細な香りでフルーツのような風味が特徴
- キリマンジャロ … 独特の酸味が特徴
- インドネシア … 苦味と独特の香りが特徴
このようにたくさんの種類がありますから、いろんなコーヒー豆を試しながら、自分だけの味を見つけてラテアートにしてみるのも楽しいかもしれませんね。
出来上がるコーヒーは、豆によって本当に味が変わるもの。
好みの味を出すためにこだわりだすと、どこまでも求めてしまうほど面白いです。
牛乳
ラテアートそのものの決め手となるのが牛乳です。
ラテアートは牛乳をスチーム・フォームして作られるものですから、ここがよいものでなければ失敗します。
具体的には脂肪分が3.5%以上ある、無調整の牛乳が理想で、低脂肪牛乳などではうまく泡が立たず、ラテアートは成り立ちません。
また豆乳ではラテアートができないことに気をつけましょう。
ソイラテはおいしいですが、アートには向いていません。
エスプレッソマシン
ラテアートをつくるには何よりも先にこのエスプレッソマシンが必要です。
マキアートやカフェラテは、もともとエスプレッソで作るものなので、ドリップコーヒーでは作れませんし、
スチームミルクやフォームミルクを作るために、エスプレッソマシンのスチーマー機能が必須となります。
もちろん業務用のものが一番理想ですが、自宅で作る場合には家庭用の簡易なエスプレッソマシンでも充分です。
ほとんどの家庭用エスプレッソマシンには、ちゃんとスチーマー機能も付いています。
ちなみに家庭用のエスプレッソマシンは、いいものと悪いものの差が激しいものもあるので、しっかりと評価を確認してから購入したいですね。
グラインダー・コーヒーミル
グラインダーやコーヒーミル等の機械は、コーヒー豆を粉状にするために必要なもの。
カフェなどでは業務用のグラインダーで、一杯ごとに挽きますが、家庭ではさすがにグラインダーはなかなかないですから、コーヒーミルで代用しましょう。
エスプレッソに使うコーヒー豆は、極細挽きのため、できるだけ細かく引けるものを準備します。
グラインダーやミルを使わない方法としては、コーヒーショップで極細挽きにしてもらうという方法もあります。
ミルクピッチャー
スチーマーでミルクを温めて泡立てたり、そのままエスプレッソに垂らしてアートを作る役目もある重要な道具。
基本的に熱を加えることから、金属製のものや陶器製のものであることが一般的です。
ほかの物でも代用できますが、樹脂の場合は熱に弱く、注ぎ口がないものはキレイにアートが描けないので注意しましょう。
コーヒーショップなどで、金属のものを購入しておくとよいと思います。
自宅でアートの練習をする場合は、これがないと始まらないので、かならず準備しておきましょう。
コーヒーカップ・マグカップ
コーヒーを注ぎ、アートを作るためのカップです。
基本的にはコーヒーカップでの提供ですが、お店によってはマグカップが使われることも稀にありますが、
いろいろな本やWeb Siteでも解説されているように、自宅で練習する場合には、マグカップよりもコーヒーカップの方が適しています。
しかしどちらにしても、そこまで重要なところではないので、カップに関してはお好みで選んでも良いかもしれませんね。
具体的なラテアートの作り方の手順
ラテアートに必要な道具がわかったところで、つぎは実際にラテアートを作る手順について説明します。
事前にお伝えしておくことは、簡単そうに見えて、かなり難しいのがラテアート。
ですから数回試しただけで、うまく紋様を描けるようにはなりません。
何度も何度も練習して、少しずつコツを掴んでください。
こればかりは練習しかありませんし、何度も作っていると少しずつうまくなり、かならずどこかのタイミングで、上手に作れるタイミングがあるはずです。
エスプレッソを入れる
まずはすべてのベースとなるエスプレッソを抽出するところから。
ラテアートは芸術的で美しいものですが、エスプレッソをおいしく入れられないと、どれだけきれいにアートを描けても意味がありませんし、それにしっかりとクレマのできる、美しいエスプレッソができないと、ラテアートもきれいに描けません。
そのため基本に沿って忠実にエスプレッソを入れるようにしてください。
ポーターフィルターに、極細挽きの深煎りコーヒー粉を入れて、タンパーを使ってしっかりとタンピング。
コーヒー粉の量が少なかったり、タンピングをして圧力がかかってなければ、クレマのあるおいしいエスプレッソはできません。
たっぷりのコーヒー粉で、均一の厚みなるようにしっかりとタンピングしてあげましょう。
エスプレッソマシンにセットしたら、あとは抽出開始です。
スチーマーでミルクを泡立てる
エスプレッソの抽出をしている間に、スチーマーを使ってスチームミルクを作ります。
牛乳をミルクピッチャーに入れ、スチーマーをオンにし、蒸気でミルクを温めながら泡立てる工程。
カフェなどで見てると、一見かんたんそうに見えるのですが、やってみるとこれがとても難しい。
なかなかうまくいかずに、泡(ミルクフォーム)を上手に立てられないことが多いです。
こればかりはコツを掴むために、何度も練習するしかないでしょう。
ポイントとしては、ノズルの先端を牛乳の表面から1cmくらいの場所で泡立てることと、スチーム中は自動的に流れができるように撹拌すること。
ミルクが泡立ちながら、ミルクピッチャーの中を循環するのがわかるかと思います。
この2つを意識するときっとうまくいくはずです。
ミルクをエスプレッソに流し込む
うまくスチームミルク・フォームミルクができあがったら、あとはエスプレッソにミルクを注ぎます。
注ぎ方は飾り付けによって変わりますが、基本は円を描きながらエスプレッソにミルクをなじませ、最後に泡を乗せるようなイメージです。
あとはミルクピッチャーの先端で、泡を切るとデザインの完成。
たくさんのバリエーションがありますが、基本は同じです。
ラテアートの作り方:基本的なデザイン
ラテアートは「アート」というくらいですから、デザインの数は無数にあります。
シンプルなものから、「本当にミルクピッチャーだけで作ったの!?」とびっくりするほど精密なものまで、本当にたくさん。
その中でもよく見かけるデザインについて、ご紹介します。
ハートのラテアート
まずはもっともシンプルで簡単なデザイン。
カップの中にミルクフォームで丸い形をつくって、その中心をミルクピッチャーで切るだけ、というシンプルな作り方です。
ラテアートを練習するときは、まずこのハート型のラテアートを作れるようになりましょう。
これができればあとは応用の繰り返しです。
リーフのラテアート
もうひとつの基本がリーフ(葉っぱ)のデザインです。
こちらはミルクを注ぐ時に左右に先端を振り、リーフの紋様を作ります。
そして最後にミルクピッチャーの先端で、中央を切りながらミルクを注いで完成です。
基本的な形ではありますが、とてもきれいで人気の高いデザインですね。
3Dラテアート
最後は基本ではありませんが、たっぷりのミルクフォームを使ったデザインです。
たっぷりのミルクフォームを使って、立体的にデザインし、チョコペンなどで仕上げます。
動物を模ったものがよく作られ、お店の名物にもなり得るほどのデザイン性。
ただしこれは厳密にはラテアートととは呼ばれていないので、3Dラテアートについては、基本のラテアートを習得したあとに、ぜひ挑戦してみてください。
3Dラテアートは、だれかに作ってあげると喜ばれること間違いなしですよ。
まとめ
カフェでかなり見かけることも多くなったラテアート。
ただマキアートやカフェラテの味を楽しむだけではなく、見た目もキレイだと、コーヒーを飲むことが楽しくなっちゃいますよね。
そんなラテアートを作るためには、エスプレッソを入れるための基本的な技術に加えて、スチームミルク・フォームミルクを作るための技術、そしてミルクを使ってデザインする技術が必要です。
そしてもちろんその技術はすぐに習得できるものではなく、何度も練習をしなければ身につきません。
ですが一度習得してしまえば、アレンジを加えていろいろなデザインに挑戦することも可能。
自分で作って楽しく、人に振る舞って喜ばれる、そんなラテアートが作れるようになるといいですね。
自宅でも何度も練習すれば、かならず上達していろいろなデザインに挑戦できるようになりますよ。
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