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「おしるこ」と「ぜんざい」の違いとは?地域によっても変わる呼ばれ方

冬場に欠かせない料理である、おしることぜんざい。

寒い時期にはとくにおいしいことから、毎年だれもが食べているのではないでしょうか。

お正月の期間に食べられることも多く、1月11日(京都では1月4日)の鏡開きの日に、自宅やいろいろなイベントでも、お雑煮といっしょによく振舞われますよね。

そんな冬の味覚に欠かせない、おしることぜんざいですが、じつは地域によって少しだけ違うことはご存知でしょうか。

この記事では、そんなおしることぜんざいの違いについて、くわしく解説します。

「おしるこ」と「ぜんざい」の違いをひと目で理解

「おしるこ」と「ぜんざい」 の違いは、大きく分けて3つの地域でわかれています。

関東(東日本)、関西(西日本)、沖縄でわけられる違いについて、まずは表でまとめてみました。

おしるこ ぜんざい その他
関東(東日本) 小豆を砂糖で甘く煮た汁の中にお餅を入れたもの 汁気のない餅に餡を乗せたもの
関西(西日本) こしあんの小豆を砂糖で甘く煮た汁の中にお餅を入れたもの つぶあんの小豆を砂糖で甘く煮た汁の中にお餅を入れたもの 関東風ぜんざいは「亀山」「金時」
沖縄 ホットぜんざいとも呼ばれる
こしあん・つぶあんで呼び分けない
かき氷に金時と白玉を乗せたもの 温かいぜんざいはホットぜんざい

このように、各地域でかなり特色があります。

 

関東(東日本)のおしるこ

関東のおしるこは、一般的にだれもが想像するおしるこの姿です。

こしあんを使ったもの、つぶあんをつかったもの、どちらもおしることされていますが、区別はされています。

  • ◆こしあんのおしるこ … 御膳汁粉
  • ◆つぶあんのおしるこ … 田舎汁粉・小倉汁粉

東日本では、広い地域でこのように呼ばれていることから、馴染みが深い人も多いでしょう。

 

関東(東日本)のぜんざい

では関東でのぜんざいはというと、汁気を持たないお餅や白玉などの上に、餡を乗せたもののこと。

たしかに東京のお店で見かけるぜんざいは、すべて汁気のないものばかりですね。

ちなみに東日本のお餅は、角餅である場合がほとんどです。

 

関西(西日本)のおしるこ

関西のおしるこは、こしあんを水で伸ばして砂糖で煮詰め、焼き餅を入れたものを指します。

西日本で使われるお餅は、基本的に丸餅になります。

 

関西(西日本)のぜんざい

では関西のぜんざいはというと、おしるこのつぶあんのタイプのこと。

見た目はほとんど変わらず、使っている小豆が、こしあんなのかつぶあんなのかで呼び分けられているのです。

このおしることぜんざいの呼び方は、四国・九州まですべて同じ。

西日本のぜんざいを関東風で呼ぶと、田舎汁粉と小倉汁粉というわけですね。

 

関東のぜんざいを関西ではなんと呼ぶ?

では関東の汁気のないぜんざいは、関西でどのように呼ばれているのでしょうか。

答えは「亀山」「金時」のどちらかで呼ばれます。

抹茶と餡、白玉がたっぷり乗った「宇治金時」からもわかるように、汁気のないものは餡の一種で金時と呼ばれるのです。

 

沖縄のぜんざいとおしるこ

少し離れた沖縄では、また独自の呼ばれ方をしています。

夏の沖縄旅行へ行ったことがある人は、きっと一度は見たことがあると思いますが、かき氷に餡と白玉を乗せた(敷いた)ものがぜんざいなのです。

こちらは冬に食べるものではなく、夏の暑い日に食べられるのが一般的。

最初は戸惑いますが、名物店で食べる沖縄ぜんざいは、本当においしいですよ。

ちなみに汁気のある、一般的なおしるこは「ホットぜんざい」と呼ばれ、沖縄ぜんざいほどではありませんが、冬の間によく食べられます。

 

まとめ

ご紹介したように、地域によって「おしるこ」と「ぜんざい」は、指すものが違います。

過去の歴史から考えると、関西方面から各地へと広がった料理だと考えられていますが、なぜ違いが生まれたのかは明確になっていません。

ですがどの地域のおしるこ・ぜんざいも、とてもおいしく、冬の間(沖縄ぜんざいは夏の間)に欠かせない味覚です。

機会があるのなら、各地のおしるこ・ぜんざいを食べ比べてみたいものですね。

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