「おしるこ」と「ぜんざい」の違いとは?地域によっても変わる呼ばれ方
2018年12月27日
冬場に欠かせない料理である、おしることぜんざい。
寒い時期にはとくにおいしいことから、毎年だれもが食べているのではないでしょうか。
お正月の期間に食べられることも多く、1月11日(京都では1月4日)の鏡開きの日に、自宅やいろいろなイベントでも、お雑煮といっしょによく振舞われますよね。
そんな冬の味覚に欠かせない、おしることぜんざいですが、じつは地域によって少しだけ違うことはご存知でしょうか。
この記事では、そんなおしることぜんざいの違いについて、くわしく解説します。
「おしるこ」と「ぜんざい」の違いをひと目で理解
「おしるこ」と「ぜんざい」 の違いは、大きく分けて3つの地域でわかれています。
関東(東日本)、関西(西日本)、沖縄でわけられる違いについて、まずは表でまとめてみました。
おしるこ | ぜんざい | その他 | |
関東(東日本) | 小豆を砂糖で甘く煮た汁の中にお餅を入れたもの | 汁気のない餅に餡を乗せたもの | |
関西(西日本) | こしあんの小豆を砂糖で甘く煮た汁の中にお餅を入れたもの | つぶあんの小豆を砂糖で甘く煮た汁の中にお餅を入れたもの | 関東風ぜんざいは「亀山」「金時」 |
沖縄 | ホットぜんざいとも呼ばれる こしあん・つぶあんで呼び分けない |
かき氷に金時と白玉を乗せたもの | 温かいぜんざいはホットぜんざい |
このように、各地域でかなり特色があります。
関東(東日本)のおしるこ
関東のおしるこは、一般的にだれもが想像するおしるこの姿です。
こしあんを使ったもの、つぶあんをつかったもの、どちらもおしることされていますが、区別はされています。
- ◆こしあんのおしるこ … 御膳汁粉
- ◆つぶあんのおしるこ … 田舎汁粉・小倉汁粉
東日本では、広い地域でこのように呼ばれていることから、馴染みが深い人も多いでしょう。
関東(東日本)のぜんざい
では関東でのぜんざいはというと、汁気を持たないお餅や白玉などの上に、餡を乗せたもののこと。
たしかに東京のお店で見かけるぜんざいは、すべて汁気のないものばかりですね。
ちなみに東日本のお餅は、角餅である場合がほとんどです。
関西(西日本)のおしるこ
関西のおしるこは、こしあんを水で伸ばして砂糖で煮詰め、焼き餅を入れたものを指します。
西日本で使われるお餅は、基本的に丸餅になります。
関西(西日本)のぜんざい
では関西のぜんざいはというと、おしるこのつぶあんのタイプのこと。
見た目はほとんど変わらず、使っている小豆が、こしあんなのかつぶあんなのかで呼び分けられているのです。
このおしることぜんざいの呼び方は、四国・九州まですべて同じ。
西日本のぜんざいを関東風で呼ぶと、田舎汁粉と小倉汁粉というわけですね。
関東のぜんざいを関西ではなんと呼ぶ?
では関東の汁気のないぜんざいは、関西でどのように呼ばれているのでしょうか。
答えは「亀山」「金時」のどちらかで呼ばれます。
抹茶と餡、白玉がたっぷり乗った「宇治金時」からもわかるように、汁気のないものは餡の一種で金時と呼ばれるのです。
沖縄のぜんざいとおしるこ
少し離れた沖縄では、また独自の呼ばれ方をしています。
夏の沖縄旅行へ行ったことがある人は、きっと一度は見たことがあると思いますが、かき氷に餡と白玉を乗せた(敷いた)ものがぜんざいなのです。
こちらは冬に食べるものではなく、夏の暑い日に食べられるのが一般的。
最初は戸惑いますが、名物店で食べる沖縄ぜんざいは、本当においしいですよ。
ちなみに汁気のある、一般的なおしるこは「ホットぜんざい」と呼ばれ、沖縄ぜんざいほどではありませんが、冬の間によく食べられます。
まとめ
ご紹介したように、地域によって「おしるこ」と「ぜんざい」は、指すものが違います。
過去の歴史から考えると、関西方面から各地へと広がった料理だと考えられていますが、なぜ違いが生まれたのかは明確になっていません。
ですがどの地域のおしるこ・ぜんざいも、とてもおいしく、冬の間(沖縄ぜんざいは夏の間)に欠かせない味覚です。
機会があるのなら、各地のおしるこ・ぜんざいを食べ比べてみたいものですね。