ショコラティエになるにはどんな勉強をすれば良いの?
スイーツにはさまざまな種類がありますが、中でもカカオ独特の芳醇な香りと甘美な味で私たちを魅了するのがチョコレートです。日本にもチョコレートの専門店は多く、近年このチョコレートを使ったスイーツを作る「ショコラティエ」という職人が雑誌に登場したり、漫画やドラマの主人公となったりと注目される機会も多くなっています。そこで今回は、ショコラティエになるにはどんな勉強をすれば良いか、またショコラティエになるための方法などを紹介します。
ショコラティエとは
チョコレートは、ほんの少しの温度変化でドロドロになったり固くなったりと非常に繊細な素材です。そのため、扱うには専門的な知識や技術が必要です。
一見、「スイーツを作る人なら、パティシエと一緒じゃないの?」と思うかもしれませんが、専門知識や技術をもとに、さまざまなお菓子に仕上げるチョコレート専門の職人が、ショコラティエなのです。
ショコラティエの就職先と活躍できるフィールド
ショコラティエが働ける場所、そして活躍できるフィールドは増えています。たとえばどんな地域にもある洋菓子店だけではなく、チョコレート専門店、ホテル・レストラン、お菓子メーカーなどです。以前よりもユーザーのこだわりが好みが多様化し、よりおいしいチョコレートを求めているため、ショコラティエのような専門家が必要に。近年ではチョコレートの専門店も増えており、ショコラティエが求められるフィールドは、これからさらに増えていくのではないでしょうか。ショコラティエへのニーズの高まりから、将来性が楽しみな仕事のひとつですね。
本場フランスではショコラティエが尊敬される
チョコレートの本場のフランスでは、ショコラティエはとても尊敬される仕事のひとつ。なんとショコラティエが国家資格であり、つぎのように明確な区分のある、洋菓子作りの中でもとても重要な位置づけであることがわかります。
- 資格レベルⅢ
- 資格レベルⅣ
- 資格レベルⅤ
お菓子に対する愛情は、世界一といってもいいほどのフランスならではの資格。一流のパティシエが医師と同じような高い地位であるように、一流のショコラティエもチョコレートの専門家として尊敬される仕事なのです。日本でもショコラティエの地位がもっと高まるといいですね。
ショコラティエのやりがいとは
ショコラティエのやりがいは、自分が考案・作成したチョコレートがお客様に喜ばれること。どんな仕事にも共通することですが、働いていていちばんうれしいことは、お客様に感謝されることですよね。またチョコレートはとても繊細で、管理がとてもむずかしいことから、自在に管理できる技術を身につけていく過程もやりがいのひとつだといわれています。すぐに身につくものではないからこそ、少しずつ技術が上達していくことに喜びがあるのです。
ショコラティエの大変なところ
ショコラティエの大変な点は、お店がお客様に合わせた営業となるため、朝早くからの出勤となること。一般的な洋菓子店は9〜10時が開店です。そのため開店時間までに商品を並べなくてはならないことから、それよりも数時間前に出社し、チョコレートづくりをはじめます。ですから遅くとも8時にはお店に着き、仕事を開始しなければなりません。もちろん慣れてくれば大したことではありませんが、はじめのうちは早朝からの仕事が大変だと感じてしまうかもしれません。またお店によっては、仕事の合間に接客をしなければならいこともあり、製品を作りながらの接客も少しだけ大変に感じることもあるでしょう。
ショコラティエの将来性
ショコラティエの日本国内での知名度は、まだまだ高いとはいえません。そのため「聞いたことがない」という方もかなり多いのが実際のところ。ですがだからこそ、伸びしろが見込める将来性の高い仕事だといえるのではないでしょうか。フランスやベルギーなど、洋菓子が文化として浸透している国では、ショコラティエがとても重要な存在であることからもわかる通り、チョコレートには深い専門性が必要な食材です。ユーザーの舌も肥え、よりおいしいチョコレートへのニーズの増加や多様化を考えると、自然と高い知識を持った専門家が求められるのはごく自然なことです。今でこそパティシエという仕事も、日本国内で認知されていますが、過去には知らない人の方が多数でした。洋菓子に対するニーズの高まりから、パティシエの仕事が知られるようになったのと同様に、ショコラティエもきっと多くの人に知られるようになり、活躍できるフィールドもどんどん増えていくのではないでしょうか。その先駆けとなれるのは、とても誇らしいことですよね。
ショコラティエに向いてる人
チョコレートについて、高い知識と技術を持つ専門家のショコラティエ。そんなショコラティエに向いてる人は、どんなタイプなのでしょうか。ショコラティエは誰にでも目指せる職業ではありますが、適正は人によっても異なります。ここではショコラティエに向いている人のタイプをご紹介するので、自分がどれくらい当てはまるのかをチェックしてみましょう。とはいっても、ショコラティエに向いているかどうかは、とてもシンプルなので安心してくださいね。
チョコレートが大好きな人
ショコラティエに向いている人として、何よりも欠かせないのが「チョコレートが大好きなこと」があると思います。ショコラティエはチョコレートの専門家ですから、誰よりも深い知識と技術を持っていなければなりません。もしチョコレートにたくさんの興味を持てない人がショコラティエになってしまったらどうでしょう。きっとチョコレートについて、学んだり技術を磨いたり、研究することも苦痛に感じてしまうのではないでしょうか。おいしいチョコレートを食べるのが好き、おいしいチョコレートを作って人に喜んでもらいたい、もっとすごいチョコレートを作ってたくさんの人をおどろかせたい、このようにチョコレートが心から好きで、興味を持ち続けられる人は間違いなくショコラティエに向いてるはずです。
お菓子作りが大好きな人
ショコラティエは、チョコレートの専門家ではありますが、広義には分野的にパティシエと重なる部分があります。そのためチョコレートだけではなく、お菓子作り全般の知識や技術も必要です。それに実際の仕事では、チョコレート以外のお菓子作りを担当することもあるかもしれません。ですから、チョコレートだけではなくさまざまなお菓子作りに興味を持てる人ほどショコラティエに向いていると言えるでしょう。日本国内では、まだまだ「ショコラティエ」という職業が、認知されているとは言えず「パティシエの中でも特にチョコレートを専門としてる人」と位置づけが強いようです。今度はショコラティエの認知が広がり、専門分野として独立していく可能性はありますが、現時点では広義の意味でのお菓子作りにも関わる必要があります。
ずっと勉強を続けられる人
ショコラティエを含めて、お菓子作りの道は、つねに勉強の日々です。普段の仕事で学ぶことはもちろんですが、絶えず新しい技術を学ぶことや、流行しているお菓子の作り方を研究するなど、仕事を続けてる限り学び続けなければならないでしょう。きっとチョコレートやお菓子が大好きで、興味を持てる人であれば、こうした新しいことを学ぶこともまったく苦ではないはず。チョコレートとお菓子が好きで、学び続けられる自信がある人は、ぜひショコラティエを目指してみてください。
体力に自信がある人
チョコレートやお菓子を作る仕事は、思っている以上に体力を使う仕事であることをご存知でしょうか。一日中立ったまま仕事をしなければならないことや、小麦粉やチョコレート、調理器具などの重たい物を運ぶことも仕事に含まれるためです。最初から体力に自信がある人には、まったく問題ではありませんが、あまり体力や力に自信がない人は不安になるかもしれませんね。ですが安心してください。どんなことにでも言えますが、体力のいる仕事でも、はじめたてのころは大変に感じるかもしれませんが、1ヶ月もしないうちに慣れるものです。体力や力はいくらでも伸ばせます。
地道な作業を続けられる人
ショコラティエやパティシエの仕事は、名前を聞くと華やかなイメージがありますが、実際の仕事はとても地道な作業工程の連続です。できあがったお菓子は素敵ですが、できあがるまでの過程は同じものを淡々とミスなく作り続けることが求められます。クリエイティブな仕事ではありますが、同時に反復作業が求められる仕事でもあるので、こうした仕事が得意な人もショコラティエに向いていると言えるでしょう。
ショコラティエになるためにはどんな勉強をするの?
ショコラティエになるためには、チョコレートに関する知識を学んだり、技術を重ねて技術を磨いたりすることが大切です。
ただしトリュフをはじめ、ムースや焼き菓子などバリエーション豊富なチョコレート菓子を作るためには、チョコレートに関する知識だけでなく、パティシエとしての知識や技術もしっかり学ぶことが必要になります。さらに食品を扱う仕事なので、食品衛生学、公衆衛生学といった、食品に関する知識も学ばなければいけません。
ショコラティエになる3つのルート
ショコラティエになるためには、以下の3つのうち、いずれかのルートを選ぶのが一般的です。
ショコラティエになるための製菓を学べる学校に入学する
まず一つ目は、ショコラティエになるために必要な、製菓に関する知識と技術を学べる学校に入学するルートです。ショコラティエになる前に学校に入れば、製菓に関する基礎的な技術や知識をきちんと身につけることができ、食品衛生学などこれから食の仕事を続けていく上で必要な知識も同時に学ぶこともできます。
お菓子に関する基本的な知識や技術を習得しておけば、未経験の人に比べると現場に出たときに対応できる作業の幅が広がるので、より早く即戦力となることができるはずです。
ショコラティエに弟子入りをして学ぶ
二つ目は、ショコラティエに弟子入りして学ぶルートです。現場で仕事をしながら職人から直接学べば、より実践的な技術や知識が身につくでしょう。
ただし、日本ではチョコレート専門店である「ショコラトリー」自体がまだ少ないので、パティシエほど募集が多くなかったり、日々の作業に追われて基礎的な知識を学ぶ時間が少ないケースもあります。ショコラティエに直接弟子入りする場合は、お菓子について学ぶ時間をきちんと作ることが大切です。
昼はショコラティエとして働き、夜に学校へ通う
三つ目は、昼はショコラトリーやホテルなどでショコラティエとして働き、夜は学校へ通い学ぶというルートです。学校の実習だけでは分からない、現場ならではの実践的な技術や知識を得つつ、夜は学校でしっかりと基礎的な技術や知識を身につけることができます。
また学校によっては、ショコラティエになる上で欠かせない国家資格「製菓衛生師」の受験資格を得られる場合もあるので、資格取得へと近づくことができるでしょう。
ショコラティエになるには主に3つのルートがありますが、未経験からプロを目指したい人や、しっかりと基礎的な知識や技術を学んでからショコラティエとして働きたい人は、まずは専門学校に通うのがおすすめです。京都製菓なら、パティシエに必要な基礎技術や知識が習得できるカリキュラムやショコラティエに関する勉強ができるカリキュラムが整っています。さらに、ショコラトリーなど業界のさまざまなお店、事業所とつながりがあるので、就職のあっせんやインターンシップのサポートも万全です。ショコラティエを目指すなら、ぜひ京都製菓をチェックしてみてくださいね。