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クリスマスに食べられる世界のお菓子とパンをご紹介

キリストの降誕をお祝いする宗教行事であるクリスマス。

もともとキリスト教のお祭でしたが、とくに日本国内の様子を見てもわかるように、宗教の枠を超えた行事として楽しまれています。

そんなだれもが楽しみにするクリスマスといえば「クリスマスケーキ」ですよね。

ですが世界各国のクリスマスでは、ケーキだけでなく、さまざまなお菓子やパンが食べられています。

本当にたくさんの種類があるので、いつかは全部食べてみたいものです。

この記事では、世界で食べられているクリスマスのお菓子とパンについて、簡単にご紹介します。

 

クリスマスに食べられる主なお菓子

ブッシュ・ド・ノエル

ブッシュ・ド・ノエルは、薪の形をしたケーキで、クリスマスの定番です。

フランスで生まれたケーキですが、日本国内でもよく見かけますよね。

ブッシュ・ド・ノエルは直訳すると「クリスマスの薪」という意味で、丸太の形をイメージしているクリスマスの定番。

「キリストの誕生を祝い、夜通しだんろに薪をくべて燃やしたことから薪をかたどった」や「恋人へのクリスマスプレゼントが変えなかった貧しい青年が薪をプレゼントした」といったエピソードからともいわれています。

ケーキに込められた意味を知って選んでみるのもいいかもしれませんね。

 

クグロフ

クグロフとは、フランスのアルザス地方を代表するお菓子で、フランス・スイス・ドイツ・オーストリアを含む、この地方一帯の名物です。

いろいろなイベントで食べられているお菓子ではありますが、クリスマスやその他のお祝いごとでも食べられる定番のお菓子。

ブリオッシュ風の生地に、アーモンドと風味付けした干しぶどう入れ、「クグロフ型」と呼ばれる、中心が空洞になっている専用の型で焼き上げます。

ルイ16世の王妃の、あのマリー・アントワネットの好物でもあったそうですよ。

歴史上の人物が好きだったお菓子なんて、ぜひ食べてみたいですね。

 

クリスマスプディング

イギリスのクリスマスに欠かせないお菓子がクリスマス・プディング。

プラムを中心とした、ドライフルーツをたっぷりと使うことから「プラムケーキ」と呼ばれることも。

「プディング」と聞くと、日本ではカスタードとカラメルでできたプリンを思い浮かべますが、まったく違うものです。

イギリスのクリスマス・プディングは、小麦粉・牛脂(バター)・卵・砂糖・ドライフルーツ・ナッツ・香辛料・ラム酒などを使ったお菓子で、とても濃厚で芳醇な味。

家庭で作られることも多く、家によっては、なんとクリスマスの4週間前から作り始めるそうで、クリスマス・プディングは熟成させるほどおいしいとされています。

プディングの中にコインを入れて、当たった人には幸せが訪れる、なんて楽しみ方もされるそうですよ。

 

ミンスパイ

イギリスを代表するクリスマスのお菓子で、クリスマス・プディングと同じくらい有名なミンスパイ。

映画ハリー・ポッターで何度も登場するなど、それほどイギリスを象徴するお菓子なのです。

ミンスパイは、ドライフルーツやスパイスをたっぷり使ったミンスミートを詰めて焼き上げたパイ。

「ミート」とあるように、もともとは本物のお肉と牛脂も使われていたのですが、歴史の流れの中で肉が使われなくなり、今の作り方に落ち着いたのだそうです。

もともとは「キリストのゆりかご」の形を模していて、中にはキリストを現す小さな像を入れて焼く、という宗教的な意味合いがとても強いお菓子でもありました。

まさにクリスマスに深く関係しているお菓子だといえますね。

 

シュトーレン

シュトーレン(シュトレン)は、同一発祥の伝統菓子でクリスマスに食べられるお菓子です。

14世紀ごろから食べられるようになったお菓子で、バターやナッツ・ドライフルーツが贅沢に使われ、粉砂糖でくるまれている姿は、一説によればイエス・キリストが産着に包まれた姿を表現してるのだとか。

クリスマスケーキのように、華やかな見た目はありませんが、フルーツの風味が時間の経過とともにパンへうつる変化を楽しみながら、クリスマスを待つアドベントの期間に少しずつスライスして食べる習慣があります!

家庭に伝わるレシピがあり、バター・スパイス・ドライフルーツの分量も違い家庭ごとの味があるそうですよ。

 

スペキュロス

スペキュロスは、ベルギーでクリスマスに食べられることの多い伝統菓子。

シナモンやナツメグなどスパイスが入ったバターたっぷりのビスケット。もともと12月6日「聖二コラの日」を祝う際に食べられていたものでした。

最近では日常的に購入でき、おやつとして食べられているそうで、ティータイムやコーヒーブレイクに食べられることもあるそうですよ。

スペキュロスの見た目は、模様のあるふつうのクッキーですが、いちばんの特徴は、シナモン・生姜・ナツメグなどのスパイスがたっぷり使われていること。

独特のスパイシーな風味と、ブラウンシュガーのやさしい甘さがとてもおいしいお菓子です。

日本でも洋菓子店や百貨店などでは、稀ですが売られていることもあります。

 

パンドーロ

パンドーロはパネトーネとともに、イタリアを代表するクリスマスのお菓子です。

たっぷりのフレッシュバターと卵黄を使い、ふんわりとした食感とやさしい味が特徴的。

直径と高さは30cm前後とかなり大きなお菓子で、クリスマスの時期には、朝食やおやつ、夕食後のデザートとしても頻繁に食べられます。

なぜなら手土産やクリスマスのプレゼントに渡されることも多く、いつの間にかたくさんのパンドーロが増えているからだとか。

パンドーロも日本で見かけることが増えたので、今年のクリスマスに食べてみるのもいいかもしれないですね。

 

ヘクセンハウス

ヘクセンハウスとは、ドイツ語で「魔女の家」という意味。いわゆる「お菓子の家」のこと。

その名前のとおり、ジンジャーブレッドをベースとして、さまざまな素材を使い、小さなお菓子の家を作ったものです。

ドイツだけではなく、ヨーロッパ各国でクリスマスの名物となっていて、多くの公共の場所で見かけることも多く、コンテストも盛んに行われています。

こんなお菓子の家って、小さなころに憧れましたよね。

日本ではまだまだ馴染みのないヘクセンハウスですが、これから少しずつ知る人も増えてくるかもしれないですね。

 

クリスマスに食べられる主なパン

パネトーネ

パネットーネとは、イタリアのクリスマス時期に食べられる発酵させた菓子パンです。

やらかなブリオッシュ生地をベースに、レーズンなどのドライフルーツを混ぜて焼き上げられます。

やわらかい生地とドライフルーツのやさしい味がおいしい菓子パンで、特徴的な大きなドーム型が目を引き、最近では日本国内でも見かけるようになりました。

ちなみにパネは「パン」を指し、トーネは「大きな」を意味し、直訳すると「大きなパン」とそのまま。

ですが語源に関しては諸説あり、「トニーという職人が作ったパン」という説もあります。

その起源は最も古い説だと5世紀ごろからだとされており、正確な起源を知ることはできなさそうですが、今も昔もイタリア人に愛されている伝統的なパンであることに違いはありません。

 

クリスマスに食べられるお菓子とパンまとめ

いかがでしたでしょうか。

世界ではクリスマスにこんなにいろいろなお菓子やパンが食べられているなんて驚きです。

ぜひ今年はクリスマスケーキだけでなく、いつもとちょっと違ったお菓子やパンを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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