京都製菓BLOG

お菓子づくりプロ・パティシエールの仕事をくわしく解説します

お菓子づくりのプロといえばパティシエですよね。

ですがお菓子づくりのプロには、「パティシエール」と呼ばれている職人さんもいます。

よく似ている言葉ですが、実際には同じ職業なのです。

この記事では、パティシエールについて、つぎのような疑問にお答えします。

  • ◆パティシエールとパティシエの違い
  • ◆仕事に就くための方法
  • ◆向いているのはどんな人か
  • ◆どんな学校に通うのか
  • ◆どんな仕事内容でどれくらいの年収なのか

おいしいスイーツが求められている今、注目される職業となったパティシエールについて、ぜひ知ってください。

パティシエールとは女性のパティシエのこと

パティシエについてはよく耳にしますが、パティシエールについてはなかなか耳しませんよね。

ですが意味に違いはなく、パティシエールとは「女性のパティシエ」のこと。

つまり職業や仕事内容的にはまったく同じで、必要な技術・勉強・資格は共通です。

日本では、どちらも「パティシエ」と呼ばれることが多いために、聞き馴染みがないのです。

 

フランス語の男性系・女性系による違いだけ

パティシエールとパティシエ、どちらもフランス語です。

そしてなぜ同じ仕事なのに、2つの呼び方があるのかというと、それはフランス語では、名詞を「男性形」と「女性形」で呼び分けをしているから。

男性形と女性形は、いろいろな名詞で使い分けられています。

 

英語ではなんと呼ぶ?

日本語では洋菓子職人、フランス語ではパティシエール・パティシエと呼ばれるお仕事ですが、英語ではつぎの2つの呼ばれ方があります。

  • ◆ペイストリー・シェフ(pastry chef)
  • ◆コンフェクショナリー(confectionery)

2つのうち、「ペイストリー・シェフ」の方が一般的で、「コンフェクショナリー」が使われることはめったにありません。

ちなみにペイストリーとは、小麦粉・バター・ショートニング・たまごなどで作られたお菓子のことで「パティスリー」の語源と同じです。

 

パティシエールになるにはどうしたらいい?方法は?

パティシエールになるための方法は、つぎの2つです。

  1. ①製菓の専門学校を卒業してからパティシエールになる
  2. ②最初から洋菓子店で働きパティシエールになる

どちらの方法でもパティシエールにはなれますが、これから目指すのであれば、基礎知識や技術、資格など考えると、製菓の専門学校を卒業するのがおすすめです。

最初から洋菓子店で働けば、そこで洋菓子づくりの現場で必要な知識と技術が身につくでしょう。

ですが洋菓子づくり全般の技術や、幅広い知識、そして資格を取得するための勉強については、やっぱり学校でじっくりと学ぶのが理想です。

まずは製菓の学校へ入学し、しっかりと勉強するのが一番でしょう。

 

パティシエールに向いてる人

パティシエールに向いているのは、やはり「お菓子が好き」「お菓子づくりが好き」という人でしょう。

どんなことにも共通していますが、好きなものほど興味を持って勉強できますし、実際に伸びるのも早いもの。

仮に才能があったとしても、仕事自体に興味が持てないとなると、仕事を続けること自体が苦痛なはずです。

少なくとも「パティシエール」について調べているあなたは、きっとお菓子やお菓子作りが好きなのだと思います。

それならパティシエールにも向いているはずですよ。

 

パティシエールに年齢制限はある?今からでも間に合うの?

パティシエールになるために、年齢制限はありません。

どなたでもパティシエールを目指せます!

高校→専門学校→洋菓子店とストレートで目指す人がほとんどですが、一度社会人を経験し、そこからパティシエールの道へ進む人も多くいるのです。

昼間だけではなく、夜間の専門学校もあり、パティシエールに必要な知識や技術を学ぶために、最適な環境があるので心配はいりません。

 

パティシエールの専門学校

パティシエールになるためには、製菓の専門学校で学ぶのが一番です。

製菓の専門学校では、おおよそ1〜2年をかけて、洋菓子づくりについての知識や技術を一から学べ、パティシエールには欠かせない資格の取得もできます。

より深く広範囲の知識を学べ、洋菓子づくりの多くの技術を身につけられるのは、専門学校で時間をかけて勉強するからこそできること。

また専門学校に通うメリットは、勉強だけではありません。

同じパティシエールやパティシエの道を目指す、多くの友人や仲間、そして師ができるため、大きな財産となるはずです。

 

パティシエールにはどんな勉強が必要?

パティシエールになるためには、多くの勉強が必要ですが、ここでは専門学校での勉強についてご紹介しておきますね。

製菓の専門学校では、つぎのような科目を勉強します。

  • ◆製菓理論
  • ◆製菓実習
  • ◆衛生法規
  • 公衆衛生学
  • ◆食品学
  • ◆食品衛生学
  • ◆栄養学
  • ◆国家試験の対策

たくさんあるように見えますが、これでも一部。

実際にはもっと多くの科目があり、しっかりと基礎から応用までを学んでいきます。

「洋菓子づくりの仕事なのに、法律や栄養学も必要なの!?」

そう感じた人もいるかもしれません。

ですが洋菓子づくりのプロだからこそ、食品に関わるさまざまなことを知っておく必要があるのです。

食品に関わる仕事には、衛生に関する法律がかならず関係します。

それにお客様だって、同じおいしいお菓子なら、衛生や栄養について正しい知識を持ち合わせている人から買いたいはずですよね。

専門学校なら、そんなパティシエールになるために必要な、たくさんの知識をしっかりと学べます。

 

パティシエールに必要な資格

厳密にはパティシエールを名乗るための資格はありませんが、深く関わる資格があります。

  • ◆製菓衛生師
  • ◆菓子製造技能士

とくに製菓衛生師と菓子製造技能士は、国家資格のために、とても大きな意味を持ちます。

日本国内では、資格を重視することが多いため、この2つの資格を持っているのと持っていないのでは、就職する前・就職したあとのどちらでも、大きな差になるはずです。

どの資格の取得も、決してかんたんではありませんが、学生で比較的時間のある間に取得しておくとよいのではないでしょうか。

働きはじめてから資格の勉強をするのは、時間的にも体力的にもなかなかむずかしいものです。

プロとして、できるだけたくさんの資格を取得できるとよさそうですね。

 

パティシエールに免許はあるの?

パティシエールそのものに、免許制度はありません。

そのため、洋菓子店に従事していれば、だれでも「パティシエール」と名乗れます。

ですが現実的には、パティシエールとして認められるためには、お菓子に関する幅広い知識を持つ「製菓衛生師の国家資格を持っているか」が基準となるでしょう。

さらに菓子製造技能士2級以上の資格も持っていれば、自信を持ってパティシエールを名乗れるはずです。

 

どんな仕事?パティシエールの仕事内容

パティシエールの仕事は、だれからも喜ばれる洋菓子を作ることです。

たくさんのかわいくておいしいお菓子を作るのが仕事ですから、一見華やかな仕事のように思えます。

ですが実際には、たくさんの量のお菓子を作ることになるため、担当の持ち場で正確にすばやく同じ作業をこなしていくという、

苦労する部分もあります。

どんな華やかなに見える仕事でも、バックヤードではお菓子の大量製造などの作業がありますので、パティシエールも同じということですね。

 

開店前から大忙し

お客様にお菓子を提供するまでには、たくさんの工程があるため、かなり早い時間までに仕込みを終わらせ、開店に間に合うようにしなければなりません。

大量の果物をカット、小麦粉など材料の計量し、お菓子を一気に作ります。

営業中も品切れせず、余り過ぎないように、量を調整しながらお菓子を作り続け、時には接客もすることになるでしょう。

とくにクリスマス前などの繁忙期には、とても忙しい毎日となりますが、同時にやりがいも感じられます。

 

パティシエールのやりがいはこんなところ

パティシエールのやりがいは、やっぱり働いているお店のお菓子が「おいしい」と評判になることでしょう。

さらにお客様から直接褒めていただく瞬間は、なによりもうれしい励みです。

また今あるお菓子をおいしく作り続けること以外にも、新しいお菓子の開発もやりがいのひとつになるでしょう。

試行錯誤して考え、自分が開発に関わったお菓子が評判になれば、それまでの苦労も吹き飛びます。

パティシエールの仕事には、大忙しな毎日の中に、多くのやりがいと喜びがあります。

 

パティシエールは休みをどれくらい取れるの?

パティシエールのお仕事では、店休日に加えてシフトによる休日となる場合が多いようです。

そのため週休1日から2日間、月間で6日間から8日間くらいだと考えておくとよいでしょう。

またどの仕事でも同じではありますが、繁忙期にはあまりの忙しさに休みが少なることも。

とくにクリスマスシーズンである12月、バレンタインシーズンである2月は、かなりの忙しさのため、休める日が少なくなる傾向があります。

 

本場フランスのパティシエールは地位がすごい!

実は、洋菓子の本場・フランスでのパティシエ、パティシエールの地位は、とても高いことで有名です。

フランスではパティシエールが、医師と同じくらいの地位なのです。

日常的にお菓子を食べる文化のあるフランスでは、菓子職人は大切にされている職業。

そしてパティシエールを名乗るためには、とても大変な修行期間をくぐり抜け、むずかしい国家試験に合格しなければならないことから、とても尊敬されている仕事なのです。

日本国内では、まだまだ認知度の高い職業とはいえませんが、これからパティシエール・パティシエの認知度は上がり、さらに人気の仕事へと変わっていくことでしょう。

 

パティシエールの収入・月給の目安

パティシエールの仕事は、やりがいがありますが、同時にとても忙しくもあります。

そんな忙しい仕事ですので収入面は気になりますよね。

まずは平均した労働時間や収入から。

  • ◆年齢:39.3歳
  • ◆勤続年数:8.8年
  • ◆労働時間:169時間/月
  • ◆残業:22.3時間/月
  • ◆月給:242,000円
  • ◆年間賞与:304,600円

(出展:統計で見る日本/職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額より)

初任給は低めですから、仕事を覚えて任せられるようになるまでは、修行だと割り切る必要があります。

これはパティシエールに限らず、技術職に全般でいえることですね。

またある程度は昇進していくことで収入を増やせますが、群を抜いた収入を得るためには、自分でお店を持つという選択が必要でしょう。

反対に飛び抜けた収入が見込めない代わりに、お客様から支持される人気の洋菓子店なら、安定した収入と仕事があることが強みだといえます。

 

パティシエ・パティシエールとして有名になるには

テレビに出るような超有名な職人になるためには、技術以外にも自分を売り込む力など、たくさんの活動と能力が必要となるでしょう。

また世界的に有名にならずとも、地元で有名になるだけで、かなり仕事がおもしろくなるはずです。

これからパティシエールを目指すのなら、あなたもぜひたくさんの人に知られる、人気の職人を目指してみてください。

 

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