コーヒーと豆の種類について
2019年1月20日
1,000年以上ものはるか昔に、アラビア半島で飲まれ始めたコーヒー。
長い歴史の中で、アラビア・ヨーロッパ・アメリカ・アジアへと、世界中へ広がっていきました。
ご存知のとおり、今では世界中の人々が、コーヒーを楽しんでいます。
実は私も毎日欠かさずに、2〜3杯のコーヒーを飲んでいるほどのコーヒー好きです。
きっとあなたも、コーヒーが好きなのではないでしょうか。
ところでそんなたくさんの人々に愛されるコーヒーですが、どんな豆の種類や飲み方の種類があるかご存知でしょうか。
コーヒーは私たちが想像しているよりも、たくさんの産地と銘柄、そして飲み方があります。
知らなくてもコーヒーは味わえますが、コーヒー豆の産地や銘柄、コーヒーの飲み方の由来などを考えながら味わってみるのも、楽しみ方のひとつ。
この記事では、そんなコーヒーの種類について、くわしくご紹介します。
コーヒー豆の種類
ふだんは深く考えずに、豆を挽いてコーヒーを淹れていると思いますが、じつはコーヒー豆の種類も膨大な数があります。
産地や銘柄、焙煎の具合まで含めると、その数はあまりにも膨大で、すべてを説明することはむずかしいほど。
- メキシコ
- グアテマラ
- ブルーマウンテン
- コロンビア
- ベネズエラ
- サントス
- コナ
- モカ
- ケニア
- キリマンジャロ
- マンデリン
ここでは以上の代表的なコーヒー豆をピックアップして説明します。
メキシコ
コーヒー豆の栽培が一大産業であるラテンアメリカの大国・メキシコ。
工業国家でありながら、ラテンアメリカの中でも、コーヒーの生産量が3番目に多い一大産地でもあります。
そんなメキシコで作られるコーヒー豆の味はというと、甘みや酸味のバランスが非常によく、飲みやすいコーヒーであるものが多いです。
どちらかというと、繊細で上品だといえる風味で、世界中で愛されています。
人気の銘柄・メルセデス
メキシコ産のコーヒー豆の中でも、とりわけ人気の品種が「メルセデス」と呼ばれるもの。
オアハカ州で生産されるメルセデスは、非常にキレのある飲みやすさ。
メキシコ産のコーヒー豆を試してみるのなら、まずは「メルセデス」からでしょう。
「メルセデス」のほかには、「メキシコアルチュラ」といった品種も人気です。
グアテマラ
日本でも意外なほど輸入量が多いのが、グアマテラ産のコーヒー豆です。
グアマテラコーヒーと呼ばれ、カフェや喫茶店ではもちろん、自動販売機の缶コーヒーでも目にすることがあります。
そしてグアマテラコーヒーの味は「甘い香りで豊かな風味」という表現がぴったりで、鼻をとおる甘い香りと少しだけ強めの酸味がとても印象的。
グアマテラコーヒー単一でもじゅうぶんおいしいのですが、甘くやさしい香りが、いろいろなコーヒー豆の風味と合うことから、ブレンドコーヒーに用いられることも多いです。
一般的に産地の高度が高いほど、豆の品質も高くなるとされていますが、それはグアマテラコーヒーも同じで、高地で作られたものほど質が高いとされています
産地であるグアマテラ共和国
グアマテラコーヒーの産地であるグアマテラ共和国ですが、こちらもコーヒーの一大産地であるラテンアメリカ。
国土のほとんど(およそ70%)が山地だとされ、高度や水質などを含め、コーヒーの栽培に適した環境が整っています。
そしてコーヒー栽培は、グアマテラ共和国にとっても、農業の大きな割合を占める、きわめて重要な産業のひとつです。
ブルーマウンテン
ブルーマウンテンとは、いわずと知れた高級コーヒー豆。
ジャマイカのブルーマウンテン山脈の中でも、標高が800〜1,200m付近だけの限定された場所で栽培されている、コーヒー豆の特別なブランド。
味の特徴としては、とても繊細かつ高い香りを持つことで知られており、ブルーマウンテン単一飲めば、非常に豊かな風味を味わうことができます。
また非常に豊かな風味を持つ特徴を活かし、風味の少ない豆とブレンドされることも多いです。
とはいえ品種自体は、ジャマイカ産のほかの産地のものと変わらないのですが、ブランドを守るために厳しい検査を行っており、一定以上の品質が保たれています。
ブルーマウンテンと日本
じつはブルーマウンテンは、その80%以上が日本向けに出荷されており、それだけ日本国内では人気のあるブランドなのです。
ジャマイカは過去に英国領だったことがあり、「イギリス王室御用達のコーヒー」というフレコミでヒット。
そこから日本国内でのブルーマウンテン需要が高まり、しかも今でも続いているのです。
実際のところは、イギリス王室御用達でもなんでもなかった…というオチまであるのですが、ブルーマウンテンの品質がとてもよいことに変わりはありません。
もちろん今でも、日本国内では高級なコーヒー豆の代名詞ともなっています。
また日本ではその人気から、ニセモノも流通しやすいコーヒー豆ですから、あまりにも低価格なものがあれば、注意したほうがよいかもしれませんね。
コロンビア
コロンビア産のコーヒーは、いわゆる「エメラルドマウンテン」のこと。
コーヒー豆や缶コーヒーで、一度はかならず見かけたことがあるの名前なのではないでしょうか。
コロンビアコーヒーの味の特徴としては、甘みが強くフルーティーな香りと、ほんのりとした苦味とコクが特徴。
どんなコーヒー豆ともマッチし、味がケンカしないのでブレンドの豆としても重宝されています。
比較的深煎りの焙煎にマッチするため、エスプレッソなどにも使われることも多いです。
ベネズエラ
ベネズエラはアラビカ種のコーヒー豆。
そのためアラビカ種を好む、私たち日本人にも非常に馴染み深い豆だといえます。
ですがベネズエラコーヒーの豆は、同じアラビカ種の中でも、かなり個性的な味わいを持つという特徴が。
やさしい甘みだけではなく、ベネズエラコーヒーならではの、個性的な苦味とコクのある味です。
かつてベネズエラは、世界一のコーヒー生産国でありましたが、現在では主要産業が石油の輸出などに取って代わられ、以前よりも輸出量は落ちています。
そしてそのほとんどと自国での消費に充てられるいるため、日本国内で見かける頻度は以前よりもだいぶ少なくなってしまいました。
サントス
生産量が非常に多い南米の中でも、圧倒的に多い国がブラジル。
そしてその中でも、世界一のコーヒー輸出港である、ブラジルのサントス港から輸出されるコーヒーのことを「ブラジルサントス」と呼びます。
広大かつ温暖で、コーヒーの生産に非常に向いている土地であるブラジル。
そこで作られたコーヒーの味は、甘み・苦味・コクをほのかに感じることができ、とてもあっさりした風味であることが特徴です。
ほとんどクセのない味であることから、クセの強いコーヒーの品種とブレンドされるといった使われ方もします。
私たちが口にするコーヒーも、「ブラジルサントス」であることが少なくないかもしれません。
コナ
コナコーヒーは、アメリカハワイ州・ハワイ島のコナ地区でのみ栽培されているコーヒー。
とても甘い香りで、一度飲むと忘れられないほど特徴的な味のため、一度ファンになったらやめられない、そんなコーヒーです。
コナ地区はアメリカ合衆国の中で、唯一のコーヒー生産地でもあり、ホワイトハウスの公式晩餐会では、かならず振舞われるのがコナコーヒーなのです。
コナコーヒーはブランドを守るために、厳しい品質チェックも行われており、ブルーマウンテンと並び高級コーヒーの代表格でもあります。
ハワイのお土産としても定番ですよね。
モカ
モカとはアラビア半島のイエメン、およびアフリカ大陸のエチオピアで栽培されたコーヒーのブランドです。
イエメンの首都である、サナアにはモカ港と呼ばれる港があり、そこから輸出されていたコーヒーがモカと呼ばれていたことに由来します。
現在ではイエメンと対岸のエチオピアの、両国で栽培されたコーヒー豆のブランド。
味はさわやかな香りと強い酸味を持つことが特徴のコーヒーで、日本人にも非常に人気の高いブランドの一つといえるでしょう。
ご存知のとおり、日本国内のたくさんのカフェや喫茶店で楽しむことのできるコーヒーですね。
モカとカフェモカ
ところでコーヒーの飲み方には「カフェモカ」と呼ばれるスタイルがありますが、これはコーヒー品種のモカとはまったく関係ないので注意が必要。
私も以前は混同していたことがありました。
「カフェモカ」はあくまで飲み方のひとつであって、産地やコーヒー豆のブランドとは違うものなのです。
ケニア
ケニアコーヒーは、日本国内ではそこまで知名度は高くありませんが、ヨーロッパでは非常に高い人気の品種です。
年間をとおして安定した気候がコーヒーづくりに適しており、栽培だけではなく、豆の選別においても品質維持のために厳しいチェックが入る徹底ぶり。
味は風味と酸味が強いことが特徴で、その酸味は柑橘系をイメージさせるさわやかさ。
もしカフェや喫茶店で見かけてみたら、ヨーロッパの国々で愛されているケニアコーヒーをぜひ試してみてくださいね。
キリマンジャロ
キリマンジャロコーヒーとは、タンザニア産のコーヒー豆のこと。
品種としてはアラビカ種で、とても強い酸味と甘い風味を併せ持つ、特徴的な味わいです。
日本国内では一定の知名度と人気のあるコーヒー。
国内では多くのカフェや喫茶店、缶コーヒーにもその名前を見ることができます。
マンデリン
マンデリンはインドネシア・スマトラ島で栽培されているコーヒーです。
あまり知られてはいませんが、インドネシアのコーヒー生産量は、なんと世界第三位と有数のコーヒー大国なのです。
そんなコーヒー大国で生まれたマンデリンは、苦味とコクが強く、酸味の弱い風味が特徴的だとされています。
単一でその苦味とコクを味わう以外にも、甘みと酸味のあるコーヒー豆とのブレンドに使われることも。
日本国内では、そこまで見かけることはない品種だといえます。
もし見かけたら、試してみたいコーヒーですよね。
コーヒーの飲み方の種類
コーヒー豆の種類についてご紹介しましたが、続いて飲み方についてもご紹介します。
日本でもいろいろなカフェが増えてきたおかげで、たくさんの飲み方が楽しめるようになりましたよね。
エスプレッソ
エスプレッソはイタリア生まれのコーヒー。
深煎りして極細挽きしたコーヒー豆を、エスプレッソマシンを使い、高い圧力をかけて抽出するため、とても濃厚な味であることが特徴です。
デミタスカップと呼ばれる通常の半分ほどのコーヒーカップに注がれ、たっぷりの砂糖を入れて飲まれます。
底に残った砂糖をスプーンで味わうのが本場イタリアの楽しみ方なのだとか。
またイタリアとフランスでは単にコーヒーといえば、エスプレッソを指すほど一般的。
マキアート・カフェモカ・カフェラテなど、たくさんの飲み方のベースとなるコーヒーでもあります。
マキアート
マキアートとは、エスプレッソに少ない量のフォームミルクを注いで作られるコーヒー。
ミルクが注がれる分まろやかな味わいで、エスプレッソよりも飲みやすくなります。
コンパナ
コンパナとはイタリアで飲まれている、エスプレッソの上に、甘いたっぷりのホイップクリームを浮かべたコーヒー。
どちらかというと、コーヒーというよりもデザート感覚で口にされるコーヒーだといえます。
フラットホワイト
フラットホワイトとは、エスプレッソにフォームミルクを注いだもの。
マキアートと似ていますが、こちらはあまりフォームされておらず、しっかりとクレマが残り、エスプレッソの風味が残ることが特徴的です。
オーストラリアやニュージーランドなど、オセアニア圏で好まれている飲まれ方だとされています。
アメリカーノ
アメリカーノはエスプレッソをお湯で薄める飲まれ方。
濃さこそ近いものですが、通常のレギュラーコーヒーとは違う風味で、まったく別の飲み物だと思ってよいでしょう。
アメリカーノという名前こそ付いていますが、当のアメリカ人にはあまり人気がないのだとか。
カフェモカ
カフェモカはエスプレッソに、チョコレートとスキムミルクを混ぜて作られるコーヒー。
コーヒーの苦味とチョコレートとミルクの甘みがマッチした、デザート感覚で楽しまれます。
イタリアのコーヒーだと思われていることが多いですが、じつはアメリカのシアトル式のカフェが起源です。
カプチーノ
カプチーノとは、エスプレッソ・スチームミルク・フォームミルクを、およそ1:1:1で作られたコーヒーです。
たっぷりと泡立てたフォームミルクが特徴的で、ミルクが多めのために非常にまろやかで飲みやすいことが特徴。
イタリアでは朝食時のみ飲まれ、午後以降に飲まれることはあまりありません。
カフェラテ
カフェラテとは「コーヒー牛乳」という意味を持つコーヒー。
エスプレッソにスチームミルクを入れたもので、フランス語ではカフェオレとも呼ばれます。
発祥であるイタリアでは、そこまで一般的なコーヒーではなく、どちらかというとマキアートの方が主流なのだとか。
いかがでしたでしょうか。
コーヒーには豆にも飲み方にもこんなにたくさんの種類があります。いつもと違う豆や飲み方を試してみて、自分のお気に入りの一杯を探してみるのもよいのではないでしょうか。